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2020年 振り返りと抱負

どんな年だったか

今年は引き籠りが合法となったことにより、プライベートが充実した年だった。

相対的に仕事の記憶があまりない。めちゃ頑張った気がするけど。

プライベートは年始から急にハマった現代思想に始まり放送大学に入学したり、UberEatsが高いので自炊をしたり、引っ越したり猫を飼ったりした。

 

現代思想

もともと大学の時に教養科目として現代思想の概論のような授業を受講し、毎回板書を三回読み直し、図書館へ通い原著を読む(当然何も理解できない)生活をしていたが、大学卒業後はしばらく触れていなかった。 

社内の技術交流会でひょんなことから現代思想の話が始まり、同時期にOOUIの勉強会などにも参加し、グレアムハーマンの四方対象を読み始めたこともあり、急にマイブームが訪れた。

おかげで今年は自分史上稀にみる読書の年になった。

読んだ本

自分の知識レベルとしては、一般教養として哲学者・思想家の名前を知っている程度だったので、ひたすら入門書を読んだ。

はじめての構造主義 (講談社現代新書)

はじめての構造主義 (講談社現代新書)

 

構造主義のお話。初心者でもとても読みやすく、現代思想でも大事な部分なので取り掛かりとしてとても良かった。

 

資本主義に出口はあるか (講談社現代新書)

資本主義に出口はあるか (講談社現代新書)

 

そういえば今の経済の歴史を何も知らないな?資本主義という言葉に苦手意識があったため、この本を読んだ。これも非常に読みやすく、分かりやすく思想をカテゴリ分けしてくれている。

歴史的な出来事や当時主流だった思想を、右と左、ロックとルソー、保守とリベラル、ルーズベルトとウィルソン…など対立関係で説明している。

現代思想の歴史としても、当時の世界情勢が理解できると思想の背景が理解できるため、学びがあった。

 

資本主義リアリズム

資本主義リアリズム

 

資本主義つながりでもう一つ、気になっていた本。資本主義が唯一の思想となっている現代において、資本主義の終わりを想像するよりも世界の終わりを想像する方がたやすい。資本主義の思想を内面化してしまっている現代人に、本当にこれでいいのか?と呼びかける内容だった。

上の「資本主義に出口はあるか」と一緒に読んだため、歴史的に現代がどのような状態に置かれているのか、理解がはかどった。

 

四方対象: オブジェクト指向存在論入門

四方対象: オブジェクト指向存在論入門

 

OOUI つながりで興味のあった、オブジェクト指向存在論の原著。ド素人が読んでも分かるものではないので、逆に「何を学ばなければいけないのか」をリストアップする用途になった。四方対象はライプニッツフッサールハイデガーホワイトヘッドなどなどの思想を引用して説明されているため、こいつらを学ばなければいけない。

ひとまずハイデガーホワイトヘッドを次に学ぶことに決めた。

 

ホワイトヘッドの哲学 (講談社選書メチエ)

ホワイトヘッドの哲学 (講談社選書メチエ)

 

オブジェクト指向存在論で度々言及される、ホワイトヘッドという思想家の入門書。

世界は連続する有機体である、物と物の間に厳密な区別はなく、我々は世界を抱握によって認識している…。

という有機体の哲学を分かりやすく説明してくれている。

合わせて、

1267夜『ホワイトヘッドの哲学』中村昇|松岡正剛の千夜千冊

を読むと理解がはかどる。

 

 神は実在するのか。

アンセルムスという「神」の定義をした司祭・思想家の解説から始まり、ルイスのそれに対する論理学的な批判を通して、分析哲学という一つの流派を学べる本。最終的に可能世界、様相論理などを解説している。

大学の卒論で様相論理、可能世界意味論を学んだのだが、後半、論理式がとても多くなるため、かなり読むのに苦労した…。

こういう哲学があるんだな、という学びが得られた。

 

 ここまで色々本を読み、これは外せないなと感じた思想家三人、ベルクソンサルトルフーコーを解説した入門書。

読みやすかった。ベルクソンは特に理解しやすく説明されていた。

 

現代フランス哲学に学ぶ (放送大学教材)

現代フランス哲学に学ぶ (放送大学教材)

 

放送大学でテキストとして使っている本。正直、放送大学の授業内容は、この本を音読した音声なので、実はこの本を買うだけで事足りる。

ベルクソンメルロ=ポンティ構造主義フーコー、ポールリクールを軸に、ハイデガー、マルセル、アラン、サルトルフッサール…と一通り概要を説明してくれている。

内容もとても分かりやすいし、都度他の思想家と対比をしながら説明をしているため、脳内マップの作製にとても役立つ。

ここでベルクソンの理解がかなり進み、「あーなるほどー!」と声に出しながら受講できた。

これから期末試験。

抱負

来年も、まだまだ穴埋めできていない思想家が沢山いるため、入門書を漁っていきたい。

特にカント、マルクスハイデガーについてまだ概要しかわかっていないがかなり重要人物なので、きちんと学びたい所存。

そして、準備万端の状態で四方対象を読み切りたい。また、フーコーの系譜学ももう一度読み直したい(今ならもう少し内容が入ってくる気がする)。

エンジニア

今年は、新しい技術や言語の習得ができていない年だった。(マズイ)

Rust を少し齧ったが、まだまだ「Rust らしいコード」を書けていない。

抱負としては「低レイヤーに関する知識を深める」。CPU/GPU、ドライバ、カーネル、OS、コンテナ…などなど。

ひとまず、下記の記事に取り組みたい。

kaminashi-developer.hatenablog.jp

また、Rust についても作成中の作品を作り切るところまでは最低限やっていきたい。

人生

そろそろ彼女作らないとまずくない…?まずくない?

20代後半戦に入って、ライフステージが周囲に比べて低いのが気になるところ。

総じて

来年は自発的に動いていく年になると良いなと思います。